レイアウトから考える、コミュニケーションが広がる暮らし

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住まいにおいて、家族が気持ち良く過ごすために大切なものってなんでしょうか?その答えの一つに「コミュニケーションが自然に生まれる空間づくり」がある気がします。そのためには、子どもの様子を見ながら家事が行えたり、家族で共用スペースを上手に使ったりできるレイアウトが効果的です。今回は、住まいを考える上で大切な「家族のコミュニケーション」について、レイアウトの視点からあらためて考えてみました。

個室とリビングの程よい関係

寝台列車のような楽しげな個室が並ぶLDK。天井の高い開放的なリビングの一部を上下に分割し、下部分を収納に。個室には必要最低限の高さを確保。雑多になりがち物を下に収納することで、狭くても快適な空間に。「個室は必要だけれども、そこにこもって欲しくはない。」「限られたスペースを有効に使いたい。」そんな要望から生まれたレイアウト。程よい広さが隠れ家のような雰囲気で、楽しさを感じます。家族がいつもリビングにいるような、個室とリビングが程よい関係の住まいです。

目線の合う心地よさ

段差に座るこどもたちと、キッチンに立つお母さんの目線の高さが合います。キッチンからリビングにつながるスキップフロア構成のこのスペースは、家族がそこにいるだけで楽しくなる場所。幼稚園や小学校に通うお子さんがいるご家庭なら、お子さんの様子を見ながら料理ができたらいいなと思うことは多いはず。意図的に作られた段差によって、こどもの安全を確認しながら料理に集中できる安心感に、同じ目線でコミュニケーションができる楽しさがプラスされています。理想的なキッチンのひとつですね。

ご近所さんとのだんらんをこどもと一緒に

蒔ストーブがある広い土間玄関。LDK、子供室、ピアノレッスン室が見渡せる開かれた玄関です。土間スペースの南面には大きなガラスがはめ込まれ、明るさも十分。玄関ドアと土間との間にガラスの引き戸があることで、風除の問題もクリア。ご近所さんとのちょっとした立ち話に重宝しそう。幅が3m以上もある上がり框は、程よい高さで、座って話し込むのにも最適。その交流にお子さんも一緒に加われば、挨拶や人付き合いのできるお子さんになりそうですね。日々のだんらんが楽しみな土間玄関です。

中庭を挟んだLDKとこども室

LDKからは、中庭を挟んでこども室が見えます。こども室の窓に取り付けられたシェードを下せば、中は見えなくなりますが、気配を感じることはできます。中庭を挟むことで生まれる、この程よい距離感が気持ち良いですね。十分な広さのあるこども室ですが、中庭のデッキテラスとつながることでさらに開放的に感じます。一面をガラス窓にできるのも、プライバシーが確保出来る中庭があるからできることです。目の届く、安心して遊べるスペースがあることで、家族のコミュニケーションも自然と増えそうです。平屋ならではの理想的な空間ですね。

リビングに本格的な勉強スペース

リビング全体を見渡せるアイランドキッチンと、本棚で仕切られた勉強スペース。この二つの組み合わせで、理想的な「リビングで勉強できる環境」が出来上がりました。程よい高さの本棚で落ち着く空間に。奥にある子供部屋と繋がっているのは、動線的に素敵です。本棚やデスクは、シンプルな構成なので、レイアウト変更にも対応できそうです。リビングと子供部屋の中間地帯に、大人も共有できるデスクスペース。本好きのご家族が、子供と一緒に勉強する時間を大切に考えた結果、生み出されたレイアウトなのでしょうね。
気配を感じられるセミオープンな個室や、子どもと大人が共有できるデスクスペースなど、お互いの存在を感じられるレイアウトは、家族のコミュニケーションが生まれる要素になります。また、家族で一緒に過ごすことが多いLDKと、思い思いに過ごす個室の程よい距離感も、空間づくりの大切な要素ですね。家族が毎日を気持ち良く暮らせる住まいづくりは、住む人の価値観と建てる場所によって、無限の組み合わせがありそうですね。

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家族とコミュニケーションが増える家 2017年03月24日投稿 住宅設計 家族とコミュニケーションが増える家

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ライター/writer hotagos