2016/06/11～2016/06/19

中庭と丸い屋根のある家

　普通の住宅街でもプライバシーを確保しながら自然を感じられる生活したいという要望に応えた設計をしています。リビングダイニングには小さいながらも庭があります。低めの木柵と数種類の植木の組み合わせにより道路からの視線を適度に遮り、夏には木陰ができます。シンボルツリーは株立ちのヤマボウシです。春には新緑とピンク色の花、秋には実がなり四季を感じながらの生活を送ることができます。

　自然の力を利用するパッシブ設計を採用しています。隣接する住宅の位置、各部位の高さを略測して建物のプランをすることで、冬でも朝から夕方まで陽の光を採り込むことができています。夏は庇により直射日光を避け、風を通すことでエアコンの利用を最小限度に抑えます。

　湾曲した屋根は建物全体を優しい雰囲気にすることと、道路側の高さを抑えつつ、冬の午後の陽を居間に採り込むための工夫でもあります。高性能の発泡系断熱材を屋根に挟むことで薄いながらもしっかりした断熱性能を確保しています。屋根の形は天井にそのまま表現されています。白く染色した松が柔らかい雰囲気を創出してくれています。

　床材は無垢のチークとナラ材で壁は左官仕上げです。自然素材により温かく気持ち良い空間になりました。油が跳ねるガスコンロ周りには大判タイル、食堂や洗面にはモザイクタイルと壁には大小様々なサイズのタイルを貼りました。階段の段板は無垢のチーク材で、滑り止めにナラ材を埋め込んでいます。

　扉や家具は手造りです。すべて部屋のサイズや雰囲気に合わせたデザインをしています。玄関扉にはビー玉と自然石を挟み昼は外からの光が、夜は内側からの光が漏れ出しています。全てがオーダー設計、手造りの住宅となっています。どうぞ見学に来てください。