【家づくり・コスト検討】建築コストを下げるコツ

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こんにちは。クサノユカリ建築設計室です。


マイホームを建てたい!!そうなると気になるのは「コスト」だと思います。なるべくコストを抑えつつ、暮らしやすい家を建てるには?設計事務所目線で、コストを抑えるコツをいくつか紹介します。これから家づくりをされる方の参考になれば幸いです。


住宅にかかる費用を抑えるコツとは?


住宅にかかる費用には、どうしても必要なものと抑えることが可能なものがあります。ただ、安い材料や安いハウスメーカーで作るのではなく、暮らしやすく・おしゃれでありながら、コストを抑えるコツを紹介します。


 


1.外観は凹凸を少なくする


 


住宅の外観で、コストを抑えるには面積を小さくすることを優先にしがちですが、実は凹凸をなくすことが重要です。下記の画像のように、同じ床面積でも建物の外形が正方形とL型という違いで、外壁に張る材料がとても多くなってしまいます。敷地形状によっては難しいこともありますが、なるべくシンプルな平面形状にする方がコストは下がりやすいです。


 


2.水回りの設備はなるべく1階に / 水回りは一か所にまとめよう 


 

キッチン・浴室等の水回りは、出来れば1階にあるほうがコストはかかりにくいです。

理由は、給水設備や排水設備の配管を行う為、2階より地面からの距離が短い1階の方が、配管工事の範囲が少なくて済む為です。 

後、水回りの位置は一か所にまとめることをおススメします。

用途は違えど、キッチン・浴室・トイレのどれにも給水設備と排水設備は必要です。

その為、なるべく水回りの位置を一か所にまとめることで、家中に配管をしなくて済む為、工事費用を抑えることができます。

又、将来的な修理やリフォームを想定しても費用が2階よりかかりにくいです。

 

 

3.造作○○は減らそう


 

造作キッチン・造作テーブル・造作収納等々・・・

造作とは、メーカーの既製品ではなく、大工さんや家具職人が一から作るものを指します。 造作物をたくさん取り入れると、材料代の他に、職人さんの手間代・工場での加工費・複雑な形状であれば端材のロス(小さなものでも、材料は大きなものを仕入れると、使わなかった分はロスとなり、費用が余計にかかります)、その他色々な諸費用が掛かり、ちょっとした棚でも数十万という見積書が出てきてしまいます。

もちろん、ここぞ!という場所やどうしても既製品では収まらない場所に造作物を設置することは必要ですが、あまり見えない場所や既製品を使っても問題ないところはあるものを使ってみましょう。

 

デザインは良く、コストを下げたい場合のコツは、

 

・収納棚や飾り棚はIKEA等の既製品を購入し、取り付けだけを工事業者へ依頼する。

・キッチンは一から造作工事にすると費用がかかるので、既製品のキッチンにカウンターだけ造作で取付けたり、リビングから見える部分を囲ってもらうなどの工夫をしてみる。

・後でDIYでできそうな棚や収納空間だったら、どこにビスや釘を打ち込んでもいいように、「下地補強」だけ依頼する。

・どうしても造作家具をいくつか依頼するときは、同じ材質の板材を使ってもらう(ロスを減らす)。等々です。 

なかなか工事業者へ頼みにくい場合は、設計事務所へコストを下げたい事を伝えたり、安く購入したいものがあれば、事前に設置可能か確認してみましょう。

 

 

4.工事の「工種」を減らす

 

工事の「工種」とは、大工工事・設備工事等の家を作るときに工務店が呼ぶ専門業者を指します。

それぞれ、専門の職人さんが集まるので、数が多ければ多いほど、作業手間代・運搬費・人件費・諸経費が余計にかかります。

たとえば、外壁を板張りと左官仕上げにすると、大工工事と左官工事の2種類の工種が必要になりますが、板張りだけにすると大工工事だけとなります。

同じ面積でも、作業手間代・運搬費・人件費・諸経費を減らせることがあるので、たくさんの材料を使い分けるよりは、同じもので統一したほうが費用を抑えることができます。

 

 

5.バルコニーは必要最小限に

 

洗濯物を干したり、バーベキューをしたりと、バルコニーは色々な使い方ができますが、数多く設けるとコストが高くなってしまいます。

見た目は、床と手摺だけですが、雨がかかるので防水工事が必要となります。

又、将来的に防水工事のメンテナンスも必要になる為、将来的に費用がかかることも想定しておかないといけないです。

もし1階にデッキスペースや庭を設けて事足りるのであれば、バルコニーは止めてしまう方が、将来的にも良いと思います。

 

 

6.子供部屋は間仕切壁無しでもいいかも?広さは必要?

 

子供部屋について、標準的な住宅メーカーだと6帖程度の個室が確保されていますが、もっと狭くても十分使えると考えています。 

例えば、2人分の子供部屋を3帖ずつ確保するだけで、6帖分の空間が削減できた。という事になります。

6帖は約10㎡ですので、おおよそ3坪。坪60万円の住宅なら180万円の削減です。

かなり大きくないですか?? 

又、個室化すると、間仕切壁・ドア等が必要ですが、6帖のワンルームを家具で仕切るだけにする等、細かく仕切らない作り方をすることで、工事費の削減と、将来的に6帖の部屋として使う時に工事をしなくて済むというメリットもあります。

子供が就職して一人暮らしをすることを想定すると、広い子供部屋は20年程で空き部屋になりますよね?

将来的な事も見据えながら部屋の広さは検討されると暮らしやすさとコストダウンが可能になります。

 

 

7.リビング一点豪華主義!!

 

水回りや収納以外の部屋だと、大きく分けて、リビング(娯楽・休息・来客)・ダイニング(食事)・寝室(就寝)・子供部屋(勉強・就寝)等の部屋があります。

リビングは、家族団らんの時間を過ごしたり、お客様を招いたり、テレビを見ながらゆっくりしたりと、1日のメインの時間を過ごす方が多いと思います。

ダイニングで食事がすめば、リビングへ移動。となりがちですし、寝室は名前の通り寝る為の部屋だけに使う方が多いです。

寝室やダイニングはなるべく最小限の面積とし、リビングをメインに予算をかけてはどうでしょうか?

そうすることで、他の部屋はコンパクトになり、お掃除をする面積が減り、エアコンは小さなもので済みます。もちろん、建物の全体面積も小さくなるので、費用を抑える効果大です。

標準的な6帖や8帖の部屋を普通と思うのではなく、本当に必要な広さを考えてみることで、実は豊かな暮らしを得られると思います。

 

 

まとめ

 

長文になってしまいましたが、いかがでしたでしょうか?

コストを抑えることを考えた時、どうしても安い素材・安い設備となりがちですが、それでは暮らしの質が下がってしまい、長い目で見ると満足度が低くなってしまいます。

暮らしの質は下げずに、建設コストを下げるコツはたくさんありますので、マイホームを考え始めた方は、「本当に必要なもの」「なくても困らないもの」「自分でもできるもの」のように、項目を作って、計画されると整理できると思いますよ!!

 

クサノユカリ建築設計室では、設計前に何度もヒアリング(打合せ)を重ねて、お客様が本当に必要な家は何か?を真剣に考えて設計しています。

 

もしご興味がおありでしたら、お気軽にご相談ください(^^)

https://www.kusanoyukari.com/



 
古屋洋平/クサノユカリ建築設計室

written by 古屋洋平/クサノユカリ建築設計室

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