田園風景の中に建つ古民家の大規模な改修計画。
桜や肥松など現在では希少な上質の材が随所に使われており、調査を進めていくと材の傷みも比較的少ない状態だということもわかりました。古民家の持つ力強く伸びやかな空間や佇まい、使われているそれぞれの素材をできるだけ次世代へときちんと残せるよう再利用し、この古民家の良さをシンプルに表現することも大切に考えながら全体の再計画を進めていきました。
親族が集う和室の一部屋は、そのまま残す計画とし記憶の継承にも配慮しながら、それに続く板の間の部分には吹抜を設けたことで、上部から柔らかな光が建物の奥にも届くようになっています。この家を受け継がれた若いご夫妻が暮らすにあたり、来客時や日常の生活動線を打合せの中で何度も見直し新たに組立てながら、家族の気配が優しくつながる距離感にも配慮しています。この風景の中で存在感のある『佇まい』を受け継ぎながら、現代の住まいとしての心地良さを実現した古民家の改修となっています
| 構造 | 木造伝統工法 |
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