インテリアコーディネートのコツ。
アクセントクロスからイメージを広げよう

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住宅のインテリアには住み手の個性や好みが表れます。そして同じ間取りでも、家具や壁紙、カーテンなどのデザインや色調で、インテリアの印象はがらりと変わります。

上の写真でご紹介するのは、クラシックスタイルにモダンテイストを取り入れたインテリアです。木製のモールディング(廻り縁)やチェアレール(椅子の背もたれで壁が傷つくのを防ぐ装飾材)、窓枠、マントルピース(煖炉の飾り枠)などの造作はクラシックスタイルの定番。そこにモダンな色柄の壁紙を貼っています。

壁は面積が大きく、目に入りやすいため、インテリアの印象を大きく左右します。このインテリアでも、煖炉側の壁の大胆な花柄と鮮やかな発色の壁紙に目を奪われた人は多いはず。ここで使われている壁紙は、オートクチュール・ファッションなど色とりどりの世界からインスピレーションを受け、モチーフを独自に解釈して魅力的なデザインを創出しているイギリスの高級ブランドのものです。

この壁紙を「アクセントクロス」として活かしているのがこのインテリアのポイントです。モールディングやチェアレール、窓枠が額縁の効果をもたらし、まるで絵画のようではありませんか? この壁紙を貼っている壁は玄関からリビングダイニングに入った時の正面にあり、真っ先に目にします。インテリアコーディネートの世界では、ここにゲストの視線を集める「フォーカルポイント」という手法がよく使われます。

リビングダイニングへの出入り口からはこのように見えます。煖炉側の花柄の壁紙を引き立たせるために、壁下にはあえて無地に近い格子柄の壁紙を選んでいますが、他3面には光沢によってストライプを表現する壁紙を貼っています。同じ部屋に異なる柄の壁紙を貼るのは上級テクニック。違和感がないのは基調となる色を揃えているからです。ここでは花柄の壁紙のベース色のグレーを基調にしました。カーテンもグレーと、花柄の壁紙に使われている色と同系のグリーンを選び、部屋全体の統一感を出しています。
 
このインテリアのもうひとつのポイントが、写真中央に写るパーソナルチェア。アメリカの家具ブランド「ベイカー社」の「バーバラ・バリー」というコレクションのものです。女性デザイナーのバーバラ・バリーが手がける家具は、伝統的なデザインを現代的にアレンジしているのが特長。そんな「クラシックながらモダン」な椅子から、インテリア全体の方向性が定まり、イメージを膨らませて壁紙や照明、ダイニング家具を選びました。また、マントルピース内の壁も白いタイルを使ってレトロモダンに仕上げています。

一方、同じ間取りをクラシックスタイルだけでコーディネートすると、このように。前出の写真のインテリアとはだいぶ雰囲気が違いますね。マントルピース内の壁はオールドブリックで、材料の風合いもインテリアの印象を決める大切な要素であることがわかります。

玄関ホールもアクセントクロスを用いて、折衷スタイルでコーディネート。日本の「七宝紋様」を彷彿とさせるオリエンタルなデザインの壁紙(でもこれ、イギリス製です)の前に、アンティークのイメージでつくられた重厚なデザインのキャビネットを置き、その横には直線的でコンテンポラリーなデザインのフロアスタンドを。周囲を軽やかな印象でまとめ、キャビネットが映える舞台をつくっています。

主寝室を見てみましょう。リビングダイニング同様、4面の壁の1面に目を引くアクセントクロスを貼っています。部屋全体の色調はホワイトとグレーをベースに、濃淡の同系色を重ねる最近のトレンドを意識しました。おしゃれなホテルの客室のように洗練された雰囲気になります。

子ども部屋も奥の壁にアクセントクロスを貼り、ピンクベースの壁紙に合わせて、ドアや窓枠、幅木を淡いピンク色に塗り、カーペットの色も揃えています。インテリアに色や柄を取り入れるのは難しいと思われがちですが、キーポイントを決めるとイメージを膨らませやすくなります。色柄の種類が豊富な壁紙は、それにうってつけ。
 
さて、ここまで東急ホームズ立川展示場「ミルクリーク・ヴィンテージ」のインテリアコーディネート例をご覧いただきました。欧米はインテリアを楽しむ生活文化が定着していて、そんな文化を背景にもつ輸入住宅は、新築時のインテリア計画も醍醐味のひとつ。とはいえ、壁紙やカーテンの色柄を確認できるサンプルは小さく、そこから実際の大きさにイメージを膨らませたり、複数のお店やショールームで選んだ家具や照明を部屋の中で立体的にイメージしたりするのは難しいもの。

そこで、東急ホームズは手描きのスケッチなどを用いて、お客様がインテリアをスムーズに、かつ具体的に頭に描けるように工夫しています。同社は外観やプラン、構造、性能だけでなく、インテリア計画にも力を入れていて、設計の途中からインテリアコーディネーターが打ち合わせに加わります。そして、お客様の要望を丁寧に引き出しながら、プロのセンスやアイデアを交えてイメージを広げ、長く愛される家をご提供できるように努めています。

「ご要望はちょっとしたことでも、ぼんやりしていても構いません。ご遠慮なくお話しください。それをどう実現するかを考えるのが私たちの仕事ですから」と同社の設計担当者やインテリアコーディネーターは言います。最近ではこんなご要望がありました。お嬢さんの部屋はティファニーブルーの壁に白いモールディング、吹き抜けの天井からシャンデリアを吊るしたい。一方、息子さんの部屋はブルックリンスタイルのインテリアでスキップフロアにしたい。家全体はパリのプチホテルのように。

こんなふうにイメージが断片的でも、部屋ごとに違っていても、大丈夫です。インテリアのイメージによっては外観デザインやプラン、構造、予算との調整が必要になる場合もありますが、同社は営業担当者・設計担当者・インテリアコーディネーターの連携のもと、お客様の夢を叶える選択肢をたくさん用意し、一緒に考えて決めていく、という方法で家づくりを進めています。

家をつくること、
それは家族の人生をつくること。
ミルクリーク

http://www.millcreek.jp/